フットサル戦術1-②:コントロールオリエンタード
前回のフットサル戦術1-①では、ボールを止めるトラップに足裏を使うことを提案しました。
足裏でボールを正確に止めることができてきたら次のステップに移行します。
この足裏トラップから発展させた、足裏でボールを行きたい方向に動かす戦術が、
ボールコントロールオリエンタードです。
フットサルでは自由にプレイできるスペースが狭く、プレイに時間をあまりかけることができないことは最初にお伝えしました。
これらの問題の対策として有効なのがボールコントロールオリエンタードです。
ボールコントロールオリエンタード
ボールを「止める」から「動かす」へ
フットサルの問題点、
スペースと時間をどう扱うか。
この部分にボールコントロールオリエンタードは重要な技術です。
実はフットサルではボールを止めることよりも動かすことに大きな意味があります。
常に自分が動きながらそこにボールも共にあるという感覚です。
相手DFのプレッシャーが早いと、時間と共にスペースは埋められていきます。
フットサルでは同じ場所でボールを止めながら判断して次のプレイに移行するのではなく、
行きたい場所、逃げる場所へボールを動かしながら同時に次のプレイに早く移行することが求められます。
例えるなら、
「ボールと共に旅をする」
それを実現させるためには、ボールをできるだけ自分の近くにコントロールし、
ボールを動かしながら一緒に行きたい場所へ移動することになります。
時間を止めず、進め続けよう
同じ場所に止まるとDFに狙われる
同じ場所で止まってインサイドでボールをトラップ、そこから行きたい方向へ動きだす光景を良く見ます。
これがサッカーでトラップが上手くてもフットサルでトラップ際を狙われてしまう原因の1つです。
どんなにトラップが完璧でも、止まっていれば距離を詰めやすいのです。
例えば、走り回っている猫を捕まえるのはとても難しいですが、寝ている猫は簡単に捕まえられるのではないでしょうか?
トラップが流れてボールがふところからズレた時に狙われる場合もありますが、
止まってトラップしてから移行する、そのわずかな時間に距離は詰まりやすいのです。
ボールと自分の身体をできるだけ近くしながら一緒に場所を移動すること、
これがボールコントロールオリエンタードの狙いです。
インサイドトラップだと難しくなる
これをインサイドトラップ(足の土踏まずの面)でやろうとすると相当な技術が必要になります。
サッカー経験者であれば問題なくできることもありますが、足裏の方がボールの微調整がききます。
インサイドトラップでコントロールすることが難しい場合は、足裏から始めてみましょう。
フットサルコートでは足裏のほうがメリットが大きいです。
選択肢の幅を広げてくれる
個人でもプレスを回避できる
個人参加型フットサル等ではDFの基準もそれぞれなので効果を感じないかもしれませんが、
環境レベルが高くなるにつれてDFのプレス距離やタイミングがチームとして統一されていきます。
ボールが転がっている間に距離を詰められている状況が増えます。
自分の足元にボールが来る頃には、相手DFも近くに寄ってきている可能性が高いといえます。
相手DFが寄ってくると不安になりすぐにボールを離そうと無理なパスを出してしまう、
強気に相手を抜いてやろうと無理なドリブルを仕掛けてDFに引っ掛かり奪われてカウンター、
プレスを食らうのが怖いのでボールをもらう前に敵陣に抜けてボール保持者が孤立する、
上記のような恐怖から解放されたいと思った時に、ボールコントロールオリエンタードの選択肢があるだけで展開は変わります。
相手DFのプレスを個人である程度かわせる、
自分がボールと一緒に移動することで、味方が入れる新しいスペースができる、
相手が不意をつかれ縦へのドリブルができるコースが作れる等、
ボールコントロールオリエンタードは、フットサルの基本にしてメリットが多い戦術です。
少しでもプレイに余裕ができるように
色々なプレイのスパイスとして
美味しい料理にも、アクセントとして好みのスパイスを加えることがあります。
美味しい料理をもっと美味しくすることができるかもしれません。
フットサルではパスを出して違う場所へ走り抜けることが多くあります。
状況によってはドリブルも必要です。
でもその前に、ボールコントロールオリエンタードというスパイスを加えてみましょう。
自分と次の味方のプレーの選択肢が増やせる可能性もあります。
それだけで少しプレイに余裕がうまれるかもしれません。
フットサルの魅力を感じる技術
フットサルでボールが回ってくると嬉しくなります。
その反面、奪われる恐怖もあり不安になったりボールが来ないでほしいと感じることもあるかもしれません。
このような恐怖や不安をできる限り少なくするためには、自分1人もである程度DFのプレスを
回避できるようなトラップやボールの運び方を身に着けておく必要があります。
相手DFのプレスから「逃げながら考え選択する」
ボールコントロールオリエンタードができると、自分の心を強く保てる時間が増えるかもしれません。
結果的にどんどんボールに触りたいからパスを回してほしい、
パスを多く受けるにはどこに動けばいいかと考える、
それが成功する回数が増えると楽しくなる。
色々と試行錯誤しながらどんどんフットサルの魅力を感じてみましょう。
フットサルはグループ戦術や2人組の関係などもありますが、まず個人でできる戦術をすることから
始めると個サルでも重宝されますし、その後の2人以上の動きへの理解も高まります。